「ねぇ、みんな。」
突然の私の行動に、クラスメイト達も担任もビックリしたようにこちらを見る。
「歌おう。」
みんながはぁ?って表情になるのも構わず、私は続けた。
「最後にみんなで、合唱の声を響かすことも出来ないなんて、こんなの卒業式じゃないよ。私たちさ、クラスで力を合わせて1つの目標に立ち向かう合唱コンク-ル、一回も出来なかったんだよ。そんなの悔しいじゃん。だから、せめて・・・最後にみんなで歌おうよ。」
中学時代にも合唱コンク-ルがあった。私は3年間、指揮者になって、クラスをまとめる立場だった。クラスメイトの中には、コンク-ルに対する温度差があって、随分苦労もしたけど、でも最後にクラスが1つにまとまって、なにかをやりとげることが出来た時のあの達成感と感動は何事にも代えがたかった。高校でも同じようなイベントがあると聞いて、楽しみにしていた。なのに・・・。
中学の卒業式でも私は合唱の指揮をした。卒業生全員が一斉に声を上げたその時、私は感動に震え、そして涙が溢れ出した。だけど今日、私たちには、その機会すら与えられなかった。誰が悪いわけじゃない、でもやっぱり・・・悔しい。
「そうだね、歌おう。」
真っ先に言ってくれたのは、中学から一緒で私の気持ちが、よくわかってくれている美奈だった。
「よし、やるか。」
「確かになんか物足りないとは思ってたんだよね。」
続けてみんなから、そんな声が上がって来る。
「ありがとう、みんな・・・。」
感極まりそうになる私に
「俺も異議なし。それで三浦、曲目はどうする?」
と1人の男子が尋ねて来る。
「まともに議論すれば、朝まで掛かるぜ、きっと。だったらこれしかねぇだろ。」
そう言った別の男子が、おもむろにスマホを掲げると、ある卒業ソングのイントロが流れ出す。
「うん。」
笑顔で頷いたみんなが一斉に立ち上がり、そして歌い出す。
「白い光の中に、山なみは萌えて・・・♪」
練習なんて必要ない、これはコンク-ルじゃないんだから。でもこの歌なら、みんな歌える。私は小学校も中学校もこの歌を最後に力一杯歌って卒業したんだ。
「今、別れの時。飛び立とう、未来信じて♪・・・。」
ちゃんと男女のパートも歌い分けて。驚いたのは隣のクラスからもその隣のクラスからも、いつの間にか、私たちに呼応するように、歌声が響いてきたことだ。
「弾む、若い力信じて、この広い、大空に・・・♪」
歌い切った時、教室の内外から拍手と歓声が沸き上がった。
「紗月、やったね、ありがとう!」
クラスメイトの何人かが私に近寄って来る。その瞬間、私の目から涙がドッと溢れ出して来た。
突然の私の行動に、クラスメイト達も担任もビックリしたようにこちらを見る。
「歌おう。」
みんながはぁ?って表情になるのも構わず、私は続けた。
「最後にみんなで、合唱の声を響かすことも出来ないなんて、こんなの卒業式じゃないよ。私たちさ、クラスで力を合わせて1つの目標に立ち向かう合唱コンク-ル、一回も出来なかったんだよ。そんなの悔しいじゃん。だから、せめて・・・最後にみんなで歌おうよ。」
中学時代にも合唱コンク-ルがあった。私は3年間、指揮者になって、クラスをまとめる立場だった。クラスメイトの中には、コンク-ルに対する温度差があって、随分苦労もしたけど、でも最後にクラスが1つにまとまって、なにかをやりとげることが出来た時のあの達成感と感動は何事にも代えがたかった。高校でも同じようなイベントがあると聞いて、楽しみにしていた。なのに・・・。
中学の卒業式でも私は合唱の指揮をした。卒業生全員が一斉に声を上げたその時、私は感動に震え、そして涙が溢れ出した。だけど今日、私たちには、その機会すら与えられなかった。誰が悪いわけじゃない、でもやっぱり・・・悔しい。
「そうだね、歌おう。」
真っ先に言ってくれたのは、中学から一緒で私の気持ちが、よくわかってくれている美奈だった。
「よし、やるか。」
「確かになんか物足りないとは思ってたんだよね。」
続けてみんなから、そんな声が上がって来る。
「ありがとう、みんな・・・。」
感極まりそうになる私に
「俺も異議なし。それで三浦、曲目はどうする?」
と1人の男子が尋ねて来る。
「まともに議論すれば、朝まで掛かるぜ、きっと。だったらこれしかねぇだろ。」
そう言った別の男子が、おもむろにスマホを掲げると、ある卒業ソングのイントロが流れ出す。
「うん。」
笑顔で頷いたみんなが一斉に立ち上がり、そして歌い出す。
「白い光の中に、山なみは萌えて・・・♪」
練習なんて必要ない、これはコンク-ルじゃないんだから。でもこの歌なら、みんな歌える。私は小学校も中学校もこの歌を最後に力一杯歌って卒業したんだ。
「今、別れの時。飛び立とう、未来信じて♪・・・。」
ちゃんと男女のパートも歌い分けて。驚いたのは隣のクラスからもその隣のクラスからも、いつの間にか、私たちに呼応するように、歌声が響いてきたことだ。
「弾む、若い力信じて、この広い、大空に・・・♪」
歌い切った時、教室の内外から拍手と歓声が沸き上がった。
「紗月、やったね、ありがとう!」
クラスメイトの何人かが私に近寄って来る。その瞬間、私の目から涙がドッと溢れ出して来た。


