「はぁー!最高でしたね!かっこよかった!!!」

会場から出て、駅に向かっているが凄い人で、ちょっとずつ進んでいきながら、これだけの人が見に来てるって改めて実感して、skyって本当に凄いんだなって思った。

「うん、凄かったね!こういうライブ自体初めてだけど、楽しかった。」

「直樹どうでした?かっこよくないですか!?」

またテンションがあがって、楽しそうに聞いてくる優衣は本当に直樹くんの事が好きなんだね。

「うん、盛り上げ上手!って感じで、アップテンポの曲の時、輝いてたね。」

「あら?直樹の事ちゃんと見てくれたんですか。まーはどうでした?」

ドキッとしながらも

「凄かったよ、凄かった。うん、素敵だった。」

そういうのが精一杯。自分の気持ちに気付いた今、どうすればいいか分からない。

「あ、やっと駅着きましたね。お疲れ様でした!」

反対方向の電車なので、ここで優衣とはお別れ。お疲れ様と言って1人になった今考える。好きと気付いた今どうしようかと。気持ちを伝えて、迷惑になるかもしれないし、もう会うことも出来なくなるかもしれない。そもそも雅人くんはこんな年上に好かれる事自体、迷惑かもしれない。そう思うとそっと自分の気持ちに蓋をした。