「部長って話書くの上手いけど飽き性ですよね」 麗かな春の午後に俺は部長に向かってそう進言する。 「なっ、なんだと」 その俺を睨むは我が文芸部の部長“更木(さらき)部長である。 「だって現に飽き性でしょ。部長」 「 ……いっ、いや、別に飽き性ってわけでは」 「この3年間でまともに完結した作品数っていくつでしたっけ部長」 俺の言葉に彼女は冷や汗を流し始める。 「……えぇっと、―― すいません。ゼロです」 そうして小さな声で無情な現実を口にした。 「ですよね」