例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

「じゃあ、黒髪に染めようかなー」



加藤さんが金色の髪の毛をいじる。



「加藤ちゃん、染めちゃうのー？」

「うん。だって好きな人には振り向いてほしいじゃん」

「冬弥くんのこと本気で好きなの!?　初耳！」

「好きっていうか推し？　アイドルを見ている感覚だよね」

「あー。推しキャラの好みになりたいのね」



それって乙女ゲームじゃん。

と、笑う加藤さんたち。


……振り向いてほしい、か。

加藤さんは冬弥くんのことを”恋愛対象”というより”憧れの対象”として見ていることが伝わった。

それでも、冬弥くんに認めてもらいたくて自分を変えようとするなんて凄いと思う。


私も。

私も、変わらなきゃいけないのかな。



「私も、頑張る……っ」



私の言葉に驚いた様子の加藤さんたち。

今まで静かに話を聞いていた私が、急に口を開いたらそれは驚くよね。

でも、加藤さんたちの話を聞いていたら、いつまでもくよくよしていられないと思った。


好きな人に振り向いてほしいのなら。

好きな人の恋愛対象になりたいのなら。

好きな人に認めてほしいのなら。

自分が変わるしかない。