「でも、優奈ちゃんは冬弥と花火を見るんだよね?」
「約束はしたけど……」
「それなのに生徒会長の呼び出しに行くのかな」
「美波ちゃんが見たんだって、」
「……そうなんだね」
湊くんはそれ以上なにも言わなかった。
泣くだけの私の背中を、静かに撫でてくれる。
何分経ったのかは分からない。
だけど、私が泣き止むまで湊くんはずっとそばにいてくれた。
「……ありがとう。もう、大丈夫だから」
落ち着きを取り戻しつつある私。
うん。
大丈夫。
そろそろ屋上に行かないと。
もしかしたら。
もしかしたら、冬弥くんが屋上にいるかしれない。
冬弥くんと夏樹先輩の関係がどうなっているのかも知りたい。
抱きしめてくれていた湊くんから離れようとしたそのとき。
背後から聞き間違えることのない声が聞こえた。
「約束はしたけど……」
「それなのに生徒会長の呼び出しに行くのかな」
「美波ちゃんが見たんだって、」
「……そうなんだね」
湊くんはそれ以上なにも言わなかった。
泣くだけの私の背中を、静かに撫でてくれる。
何分経ったのかは分からない。
だけど、私が泣き止むまで湊くんはずっとそばにいてくれた。
「……ありがとう。もう、大丈夫だから」
落ち着きを取り戻しつつある私。
うん。
大丈夫。
そろそろ屋上に行かないと。
もしかしたら。
もしかしたら、冬弥くんが屋上にいるかしれない。
冬弥くんと夏樹先輩の関係がどうなっているのかも知りたい。
抱きしめてくれていた湊くんから離れようとしたそのとき。
背後から聞き間違えることのない声が聞こえた。



