例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

「今日、私がとった行動は正しいかはわからないけれど。なにも行動しないで、卒業してから後悔するのは嫌だったから」

「……」

「気を悪くさせちゃったらごめんね」

「いえ。ありがとうございます」



私の知らないところでそんな話があっただなんて。

気づかないところでも私は守られていたんだ……。

大切にされていたんだ。


クレープ屋さんのお姉さんと、夏樹先輩には感謝でしかない。



「あと、姉さんからの伝言。またあの男の子とクレープ食べに来て欲しいって」

「それって、」

「さあ? 私には誰のことか分からないわ」



そう言って夏樹先輩は意地悪く微笑んだ。

この顔は全てを知っている顔だ……。

お姉さんが言う”あの男の子”は、きっと。



「夏樹先輩っ! ありがとうございました!」

「うん。綾瀬さんは綾瀬さんらしく、ね」

「はいっ!」



私は夏樹先輩に頭を下げてから教室を飛び出した。

どこに向かって走っているのか分からない。

だけど、探したい。

見つけたい。

大好きな冬弥くんを……。


私はがむしゃらに走る。

どこにいるの、冬弥くん……っ。