例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

「綾瀬さんの話は姉さんから聞いていたの」

「……姉さん?」

「私の姉さんは駅前のクレープ屋で仕事をしているの」



心当たりがひとつだけあった。

駅前のクレープ屋さん。

冬弥くんと訪れたクレープ屋さん。


あのクレープ屋さんのお姉さんが、夏樹先輩のお姉さんってこと……?

確かに目元とか口元は似ているといえば似ているかもしれない……。



「姉さんが私に話してくれたことがあったの。1度来てくれた時は幸せそうな顔をしてた女の子が、2度目に見かけたときはクレープを拒んでいる姿を見かけた、って」



湊くんとぶつかり合っていたところ、見られていたんだ……。

全く気が付かなかった。

お姉さんには嫌な姿を見せてしまったかもしれない……。
 
思わず謝る。



「あなたが謝ることじゃないわ。……それで、姉さんは綾瀬さんと一緒にいた男の子の会話の中から、あなたの名前を知ったのよ」

「そうなんですか……。だから、私の名前を夏樹先輩は知っていたんですね」

「ええ。制服姿だったから私と同じ学校の生徒だと分かったみたいで。姉さんに言われたわ」



あの素直な子をちゃんと見てあげて欲しい。

傷つきやすい子だと思うから。

生徒会長であるあなたが守ってあげて。


そう、夏樹先輩は教えてくれた。