私は便箋を机の上に置いた。


冬弥くんは。

一方的に別れを告げた私のことを今でも想ってくれているということ?

そんなの信じられない。

あれだけ傷つけたのに。

それなのに……。


ごめん。

ごめん、冬弥くん。

今更遅いのは分かっている。

だけど、手紙を読んで確信した。


私は、冬弥くんのことが好き。

大好きなんだ。

幼なじみでも他人でもない。

もう一度”恋人”に戻れるなら戻りたい。


私にチャンスをくれるなら。

もう一度向き合いたいよ……。


そのためには私が変わらないといけない。

病気から目をそらしてはダメだ。


私はその日、看護師さんに持っていたお小遣い全てを預けた。

お金があれば売店に行ってしまう。

だから預かっていて欲しい、と頼んだ。

看護師さんは退院するまで預かる、と言ってくれた。


私は変わるんだ。