例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

「母さんの言葉は許されることではないけれど、」

「……」

「僕は優奈ちゃんを悲しませたり傷つけることはしないよ」

「……うん」

「それに、なにがあっても離れたりなんかしない」



それは、冬弥くんのことを思い浮かべているのかな……?


冬弥くんから別れを告げたんじゃないよ。

私から『別れよう』って言ったんだよ。

だから、冬弥くんは悪くない。


……でも。

湊くんの気持ちは純粋に嬉しかった。

今の私を受け止めてくれる人がひとりいるだけで心が軽くなった気がした。


それでも、私は。

湊くんとは付き合えない。



「私は、」

「返事は今じゃなくていいって言ったでしょ? 考えておいて」

「でもっ、」



湊くんの手が私の手から離れる。

そして、そっと立ち上がる。


また来るね。

湊くんがそう言って私に背を向けた。