例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

「あなた……。その下駄箱はどうしたの?」

「これ、は」



夏樹先輩と初めて交わす会話。

それがいじめみたいな現場で話すことになるなんて。


……最悪だ。

惨め。

なにも言えない私は本当に惨めだと思う。


そんな私を見て夏樹先輩がふう、と息を吐いた。



「……ごめんなさいね。急に話しかけられても戸惑うわよね」

「え……?」



夏樹先輩は困った様子でもなく、呆れた様子でもなかった。

なんというか、その目は優しい目をしているように感じた。

どこかで見たことあるような、そんな目。



「私は富永 夏樹。生徒会長をしているわ」

「し、知っています……。私は、えっと、」

「綾瀬 優奈さんよね?」

「は、はい……っ」

「私も綾瀬さんのことは知っているわ」

「なん、」



なんで私のことを知っているんですか。

そう聞こうと思ったけれど、それは夏樹先輩の言葉にさえぎられた。