例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

でも、冬弥くんに頼ってはダメなんだ。

くしゃくしゃの紙に書かれた言葉は『冬弥くんに近づくな』。

きっと冬弥くんのことが好きな子たちが仕組んだことだと、容易に想像できる。

冬弥くんの隣にいる私の存在が気に入らないんだろう。

このままでは冬弥くんに迷惑がかかる。


私の存在が。

人を傷つけるんだ……。


どうしよう。

逃げたい。

やっぱり。

生きるのがラクになんてなれないよ……。


後ろに一歩足を下げたそのとき。



「なにごとですか」



凛とした透き通る声が下駄箱に響いた。

逃げようとした私の足がぴたっと、止まる。

声の主は簡単に見つかった。



「夏樹、先輩……」



生徒会長の夏樹先輩が少し離れたところに立っていた。

思いがけない人物の登場に驚きを隠せない。

それは他の生徒も同じだったようで。

バタバタとその場から逃げるように去っていく生徒たち。


最終的に残されたのは私と夏樹先輩だけだった。

固まったままの私に夏樹先輩が近づいてくる。


改めて見るときれいな人。

だけど凛とした強さのようなオーラをかもしだしていた。

そのきれいな目は私の目をとらえて離さなかった。