例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

冬弥くんは切なげな表情をしていた気がする。

悲しい目をしていた。

だけど、いつも通りに振舞っていた。

無理をしていても私には分かるよ。

何年一緒にいると思っているの。


だけど。

何年一緒にいたとしても、冬弥くんにあんな表情をさせているのは私なんだよね……。



「綾瀬さん。少し、僕とお話しませんか?」



病室に残された私と先生。

静かな病室に先生の声が響く。



「よかったらベッドに腰掛けてください」



立ちっぱなしだった私を気づかってくれる先生。

私は反論することもなく、ベッドに腰掛けた。

先生は床にしゃがむ。

目の高さが私より下になる。

立ち膝状態って辛くないのかな。



「……あそこの椅子使ってください」



私が指さしたのは、窓際に置いてあったパイプ椅子。

多分、お見舞いとか来る人に座ってもらうための椅子……。


先生は私の指さす方向を見ると微笑んで『ありがとうございます』と言ってくれた。

お礼言われるほどではないんだけどな。

そう思いつつも、私はこくん、と頷いた。


パイプ椅子に座ると先生は話を始めた。