例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

精神科病棟の個室。

この部屋がこれからの私の居場所なのかな……。


入院準備があわただしく行われている姿を私は眺める。

隣にはお母さんと冬弥くんがいる。



「冬弥くん、ごめんなさいね……。優奈が迷惑をかけて、」

「いえ。本当だったらもっと頼ってほしいんですけど」



そんな会話が耳に入ってくる。

だけど、頭に残らない。


……ただ。

自分の存在が迷惑をかけていることだけが心に残った。



「入院の準備はこれで終わりです。入院中も僕が担当させていただきます」



私の担当医……。

精神科で診察してくれた先生だ。

穏やかな雰囲気は変わらない。

頼りになる先生なのだろうか。

……でも、人の力なんて借りなくてもいいや。



「優奈。できるだけ会いに来るからな」

「……うん」



冬弥くんが頭を撫でてくれる。

もう、頭を撫でてくれることもしばらくはないのかな。

この入院生活が長引けば、冬弥くんは離れていっちゃうのかな。


病気で入院中の彼女。

冬弥くんには負担が大きすぎるのかな。