例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

「せっかくの旅行なのにごめんね」

「いいえ。それより、なにがあったんですか?」

「……」



答えたくない。

その質問には答えたくないと思ってしまう自分がいた。


だって。

美波ちゃんには理解してもらえないと思うから。

話をしても、どんな反応をされるかなんて分かりきっている。

そんな話をわざわざする必要はないと思う。


……そう思ってしまった自分が。

嫌いだ。



「えっと。無理に話さなくていいので」

「……」

「話したくなったら話してくださいね」

「うん。……ありがとう」



こんな私に笑顔を向けてくれる美波ちゃんは本当に優しいと思う。

それなのに私は。

笑うこともできないし、気持ちを伝えることもできない。

最低だな……。



「海、行きましょう? せっかくですから、水着着て……」

「そうだね。着替えてくる」

「えっ? ここでも……」



一緒にお着替え。

美波ちゃんはそう言いたかったんだろう。

だけど私は、その言葉を聞こえないふりしてお風呂場の脱衣所に逃げ込んだ。