例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

「クレープ食べない?」

「……え?」

「あそこのクレープ、食べてみたかったんだよね」



そう言って湊くんが指さした先には、あのワゴン車があった。


く、くれーぷ?

なんで今?

相談したいことがあるんじゃなかったの?

状況を理解しきれていない私を置いて湊くんは話を続ける。



「一度食べてみたかったんだけど、男ひとりじゃ恥ずかしくて」



……湊くんなら大丈夫だと思います。

あの女子だらけの輪の中に入っても溶け込めるよ。

変な意味じゃなくて。

ほら、スイーツ男子のお手本、みたいな感じで。



「だから、一緒に食べて欲しいんだ」



クレープ……。

湊くんからのお誘い。

そして、自分の顔から笑顔が消えたこと感じた。


食べたくない。

それが正直な感想だった。