「姉さん、それじゃツパイおばさんも、ラウルおじさんと同じく、ウェスティの従姉(いとこ)だったってこと?」

 アッシュの再びの問いに、あたしの(おもて)は瞬間彼を見上げていた。それってパパはツパおばちゃんの従弟の従弟ってこと??

「そういうコト。でもあんな事件の首謀者の母親でショ? だから今まで誰も、彼女の話を口に出さずに封印してきたのヨ……まぁ、ルクアルノ、あなたはさすがに知っているのでしょうけれど」

 今度はみんなの視線がルクに集中する。ルクは身体を縮込めるように委縮して、それでもゆっくり頷いた。

「うん、知ってる……ツパおばさんとボクの父さんの叔母さんが、あのお妃だったって……だけど今まで誰も触れずにいてくれた……だからボクは……学校でもいじめられずに済んだんだ……。でも王宮で働くおばさんは、きっとずっと悩んでる……だから……だからおばさんは、首相にはならないんじゃないかって……」
「あ……」

 昨夜見せたルクの辛そうな顔。それがツパおばちゃんの表情と繋がったのも、ちゃんとこうした理由があった。

 みんなを不幸にするサリファ。彼女は一体何者なの──!?