「ツパ! 来るな!!」
『ノーム……裏切り者よ……。今こうして現れたということは、われに仕える気になったのかの……?』
「私は裏切り者でも、貴女に仕える気もございません。どうか安らかにお眠りください……おば上」

 『ノーム』ってツパおばちゃんのことなの? 裏切り者って、仕えるって……それより「おば上」ってどういうこと!?

 パパは依然剣を光に突き付けたまま、ツパおばちゃんのことを心配しているみたいだった。サリファの光は益々強くなって、そのうち二人を呑み込んでしまいそうで怖かった。

『まぁ良い……強気なことを言っていられるのも今の内さ……われに『力と肉体』が戻れば、誰も逆らうことなど出来なくなる……。そしてそれももう少しだ……その『力と肉体』は……まさに今其処で、われを待ち構えておるのだから……!』

 サリファの自信に満ちた大きな声と、高らかな(わら)いが轟いた瞬間、光は大波のように上空に立ち昇って、一気に雪崩(なだ)れ込んできた! でも呑み込もうとしたのは、パパとツパおばちゃんではなくて──

「ルヴィ……!!」

 ──え!?

 視界の全てが真っ赤になったと思うや、誰かに突き飛ばされて真っ黒に変わった。気付けば芝生の上に横倒しになっていて、振り向いた先には──!

「……あ……あっ……マ、ママっ!!」

 真っ赤な光がまるで炎のように、苦しそうに立ちすくむママの全身を包んでいた!