「それじゃー行ってきます」

 そっけない返事でさっさと外へ出てしまうルク。あたし達にママの心配振りを見られたのが恥ずかしいみたいだけど、ちょっと二人が可哀想なんじゃない?

 おじさんとおばさんに急いでお辞儀をし、ルクの後を追いかけたあたしの後ろから、丁寧なアッシュの挨拶が聞こえてきた。

「では、息子さんをお預かり致します」──その声にあたしはふと振り返る。

 アッシュ……?

 きっといつものにこやかな顔で別れを告げたのだろうけれど、(きびす)を返してあたしの背中へ続いたアッシュの口元は、微笑みを宿していても何処か寂しそうに思えたのだ。……何だろう? 何か遭った??

「さて~! これから四時間は確保出来そうだね? 頑張って全部終わらせよう!」
「ぜ、全部!?」

 あれれ? 気のせいだったのでしょうか??

 アッシュの一瞬見せた寒色系の顔色も、元通りの天使みたいな笑顔で悪魔のような台詞が聞こえてきたことも──!?



*お読みくださり誠に有難うございます*

 前作からお読みいただいている皆様へ♪

 ついに(!?)次話にてツパイとタラ登場です!!(ツパイに台詞はありませんけれども~(苦笑))