ラブラブの二人はコクピットに置き去りにして、あたし達は幸せな気分だけを戴き、早々に退散することにした。けれど階段を昇る大人達には続かずに、再び格納庫へ今度はルクとアッシュを(いざな)う。(いぶか)しげな二人を前に、あたしはニコニコ顔で宣言した。

「あたしね……決めたの!!」
「「えっ!? う、うん……!!」」

 何故だか二人は同時に唾を呑み込んで、神妙な面持ちであたしの続きを待った。

「あたしの、将来の夢!!」
「「しょ……将来の夢?」」

 それから二人の声は、また同時に尋ねた。
 一瞬呆気(あっけ)に取られたようにお互いの顔を見合わせ、少しばかりホッとしたような面持ちで息を吐く。

「うん! パイロットを目指そうと思って!」
「パイ……」
「……ロット!?」
「うん!!」

 今度は二人の瞳が、驚きで大きく見開かれた!

「それって……飛行船の?」
「ううん、飛行機の!」
「「ええ~!!」」

 再び二人の驚く声が同時に叫ぶ。

 そう~飛行機のパイロット! いつもは時々自動操縦の飛行船に乗るくらいだけど、今回の騒動でグライダーやパラシュートやエアクラフト、ついには自力で空を飛んで、あたしは目覚めちゃったのだ!!

 宙を駆ける爽快感。これからは飛行機の時代だもんね! どうせだったらパイロットになりたい。