それから三人とあたしは沢山沢山笑って、あたしはメインルームのみんなに一人ずつ抱き締められた。そうしている間にパパが食事を用意してくれて、その後はとにかく無我夢中で平らげた。

 シュクリが飛んで行ってしまった後、パパ・ママ・ピータン・アッシュ・ルク・ツパおばちゃん・ビビ先生・アイガー・タラお姉様・シアンお兄様の八人と二匹は、取るものもとりあえずタラお姉様の飛行船で後を追いかけてくれたのだという。シュクリのスピードが余りに速かったので、途中から船内に格納していたエアクラフトで、あたしを助けに来てくれたのだった。

 つまりこの飛行船は、以前シュクリ山へ向かった際に使われたタラお姉様の物だった。その時は気付かなかったのだけど、小さなサブルームに寝台が置かれているのは、出産後にベビちゃんと寝られるようにとの備えなのだって。

 説明が終わる頃にはあたしのお腹も落ち着いて、今度はあたしの口からシュクリが飛んだ後の顛末(てんまつ)が語られた。神様も登場するぶっ飛んだ物語(ファンタジー)に、みんなの眼は丸くならざるを得なかったけれど、何はともあれ万事上手くいったことに、メインルーム(ココ)に居る全員が安堵した。そう……「ココ」に居る全員は、ね。

 あたしはその内の「一人」を、エアクラフトが戻された階下の格納庫へ連れ立った。「彼」に自分の想いを告げ、それから今度は独りで飛行船のコクピットへ──自動操縦なのだから、こんな所に引き籠る必要なんてないのに~どうしてだか出てこない「彼女」に会いにきたのだった。