「あれからルヴィのお家へ行ったのだけど誰もいなくて……仕方なくタラお姉さんの家まで走ったら、お姉さんとお兄さんと……ルヴィのママにも会えたのだけど、ジュエルはビビアンさんってツパおばさんの弓の先生が持っていったって……一緒にルヴィのパパと、ピータンにアイガーもついて行ったって……」
「パパ……」

 ママとタラお姉様・シアンお兄様は無事なのだとホッとした。けれどそれ以外の状況は、今のところ推測の域から出られなそうだ。

 おそらくツパおばちゃんは自分よりも脚の速い、且つ出口までの道筋が分かるビビ先生に、あたしがルクに頼んだように『ラヴェンダー・ジュエル』を取りに向かってもらったのだろう。サリファは行き先を指示しなかったから、ツパおばちゃんは鍾乳洞で待機したまま、ビビ先生がジュエルを持って戻るのを待っている筈。そこに……パパとピータンとアイガーも同行した、と思われた。

『それは好都合だ……われらも向かおう。ふむ……二人も興味があるのだろう? 連れていってやる』

 サリファは愉しそうに嗤ってヒュウと一息を吐いた。刹那アッシュのカプセルが宙に浮いた!

 横倒しになったカプセルの扉がおもむろに開き……ようやくアッシュを出してくれるのかと思ったら、逆にルクもが吸い込まれてしまった!

「ちょ、ちょっと!!」
『お前も入るか? リルヴィ……まぁ幾らなんでも三人は狭かろうて。お前はわれに包まれればいいさ……』
「え? あ……ちょっと待って! アッシュ!! ルク!!」
「リル!」
「ルヴィ!」

 紅蓮の波光が二人の入ったカプセルと、更にあたしをグルグルと取り巻いて、鍾乳洞からココまで移動したときと同様、あたし達はその一瞬に気を失った──。



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