『さぁて、そろそろウブな王女様にも教えてやろうか? お前ももう十四歳だ……ぼんやりでも「子供の作り方」くらいは分かるであろう?』
「こ、ども……?」
「サリファ! サリファ、どうかお願いです!! 貴女は乗っ取る肉体が必要だと言った……今は僕の身体だけでも十分でしょう!?」

 言われた意味を嚙み砕いている間にも、アッシュは必死に説得を試みていた。あたしの聞き間違いじゃ、ないよね? 「子供の作り方」って……えっと、それって、つまり……!?

『アシュリー、そんなに焦る必要などないであろう? リルヴィにもルノにも、苦痛を与える訳じゃあないんだ……むしろ快楽と言って良い。大人の階段を一歩(のぼ)るだけさ……年上のお前を差し置いてになるがな』
「サリファぁぁぁ……!!」

 アッシュが低い唸り声を上げた。あたしは多分……半分は理解したのだと思う。パパとママが愛し合ってあたしが生まれた。あたしと……誰かが、愛し合うってこと……? 誰が!? いや……近付いてきているのはサリファの乗り移ったルクだ……でもっ、やっぱり良く分からないってば!!

「何? 何なの? どういうこと!? 良く分かんない! 分かんないけど……とにかくこっち来ないでっ!!」
『フン……可愛いねぇ……まさか自分が男になって、女を押し倒すことになるとは思わなかったが……』
「どうか……どうか、お願いします!! それだけは、どうか……っ!!」