……と、相変わらず頭の中では全く違うことを考えていたあたしの宿題は……案の定ほとんどこなすことは出来なかった。それでもにこやかに夕食を提供してくれたパパに(半分はランチの残りを食べさせられたけれど)、お礼を言ってママと後片付けを手伝う。食後は三人でカードゲームに興じた。順々にシャワーを済ませ、真っ暗な外の煌めく星々を眺めながら、肩より短い髪を乾かした。

「パパ、ママ、おやすみなさい」

 二人の頬におやすみのキスをして、船尾側の壁に埋め込まれた『シューター兼カプセル・ベッド』に頭を突っ込む。この設備って物心ついた頃から変わらないな~……ってことは画期的ってことなのかな? 緊急時にはカプセルごとココから脱出して、パラシュートで着地出来る仕組みなのだけど、確かに理にかなっているとは思う。

「あら、ルヴィ、ピータンにおやすみの挨拶は?」
「え?」

 ズルズルと中に這い入るあたしの背中に問い掛けるママの声。ピータンとは今までの経緯に何度か登場したパパの相棒、掌サイズの灰色モモンガ『ピータン』のことだ。