「わたしも尽力致しますから、どうかご心配なさらずに。それから……こちらルクアルノさんの物ですが……アシュリーさん、代わりにお使いになりますか?」
「あっ! ありがとうございます!!」

 近くに落ちたもう一つのカプセルから、ビビ先生は細長い何かを取り出して見せた。遠慮がちにアッシュに差し伸べたのは──山頂に置き去りにしたルクの剣? 途端アッシュの表情が一気に華やいだ気がした。

「元々は僕の剣です。ルクと同じ位の身長の頃に使っていたので、彼に譲ったのですが……勝手は分かっていますから、今でも扱えると思います」

 受け取ったアッシュは喜んで剣を腰元へ(しつら)えた。と同時にその表情から感じられたのは、ルク救出へ向けた大いなる決意。ママの時には何も出来なかったんだ、今度こそはあたしも頑張らないといけない。

「わたしのカプセル・ベッドは特注でして、通常より一回り大きく出来ています。お陰でかなりの荷が運べましたので、これからのことはひとまず安心してください」
「ありがとうございます、ビビ先生! あ、あたしのザックまだ余裕がありますから……」

 あたしは置き放していた荷物の許へ戻りながら、背後になった先生に声を掛けた。少しでも役に立たなくちゃ、っていう気持ちだけが前のめりになったあたしに、

「大丈夫ですよ、リルヴィさん。運ぶのはわたし独りで十分です」
「……え?」

 振り向いた先にはカプセルのまま肩に荷を乗せた、にこやかなビビ先生が立っていた──!!





※イニシャルだけでは分かりづらくて申し訳ありません。
 ついに全貌を見せたツパイと、新キャラ:ビビアンです。
 皆様のイメージからかけ離れていないことを祈ります。。。(大汗)