上からゆっくり落ちてくる花のようなパラシュートに、ぶら下げられた透明カプセルへひたすら目を凝らした。いつもは船内の壁面に埋め込まれて、ベッドとして使われている細長いカプセル。内部の天井に設置されたボタンを押せば、カプセルは船尾から外へ飛び出して、頭上側に取り付けられたパラシュートが開き、安全に脱出出来るという仕組みなのだ。

 やがて中身の詳細もぼんやりと見えて、先に降りてきた赤いパラシュートのカプセルは荷物らしいと判明した。そして……青いパラシュートには──

「ツパおばちゃん! あ……お師匠様!!」
「え……? お師匠様って、弓の!?」

 あたしはアッシュの問いに大きく頷いて、とにかく大きく両腕を振った。下降中の二人もあたし達の存在に気付いたみたいだ。窮屈なカプセル内から安堵の笑顔と、手を僅かに振る素振りがかろうじて見えた。

「おばちゃん!! お師匠様!!」

 無事着地した横たわるカプセルに、あたし達は急いで走り寄った。先に足元の扉を開き、モゾモゾと身体を押し出してきたのはツパおばちゃん、続けてお師匠様が大きな身体を引き抜く……のではなく、足先だけを出してカプセルごと立ち上がり、まるでシャツを脱ぐかのように、カプセルを持ち上げて自分を取り出した──!?