「そうだよね! ルクもアッシュもあたしと一緒に落ちたのだから、道は繋がっている筈!! ルクが見つかりさえすれば、助け出す手段も見つかるよ!」

 今までずっと──原因も理由もそこにある想いも、全ては沢山の糸が絡み合っているように見えたけれど、実際にはたった一本の糸がずっと繋がっていて、重なり合っていただけなんだ。

 きっとあたし達の想いは伝わって、お互いの手を繋いでくれる。ルクを見つけたいという想いが、あたし達をルクの許へ届けてくれる!

「そうしたら『善は急げ』だね。リル、ザックを一つ背負える? まずは荷物が落ちていた方向へ進んでみよう」
「うん!」

 あたしは元気良く立ち上がり、明るい声で返事をした。食器や食糧の残りを荷に詰め直して、ヨッコラショっとザックを背負う。重さに反り返って見上げた瞳が、ある筈の火口の穴を見つけられずキョロキョロとしてしまった。あれ? 小さな丸い穴が遠くに見つかる筈なのに……何処にも見当たらない!?