──ゴックン!!

「ええ~……!?」

 まさしくそんな擬音の聞こえそうな勢いで、ピータンは『ラヴェンダー・ジュエル』を呑み込んでしまった!

 そのままクルリと旋回し、サリファから逃れるために背を向けて滑空する。やがて怒り心頭の酷く低い声が、あたしを半分包んだ光の中から、ゾワゾワと振動を伝えながら響いてきた。

小癪(こしゃく)なモモンガがぁ! その腹、切り裂いてやるわっ!!』
「や、やめて!!」

 光が揺らいで激しく波打ち出した。きっとあのルクやシアンお兄様を狙った赤い光線で、ピータンを攻撃するのだと気付いた瞬間、灰色の紙飛行機みたいな小さな影が、今度は飛び出してきた白黒の身体に(さら)われた!?

  ──さっすがー、グッジョブ! アイガー!!

 ピータンを口に咥えて見事に救出したアイガーは、発射された光線を()けながらすばやく逃げ去った。もちろんピータンを呑み込むことはなく、ずっと先で待ち構えているツパおばちゃんに引き渡し、ひとまず一人と二匹は大きな岩陰に隠れてくれた。

『ジュエルぅぅぅっ……!!』

 そうしている間にも、ドンドンあたしの身体は光る柱の中へ引きずり込まれていく。ママの無事を確認したパパは、再びあたしへ向け立ち上がろうとしていた。その手前、辿り着いた「二人」が何度もジャンプして、あたしをどうにか捕まえようと格闘してくれていた。でも……ダメだ。あともう少しなのにぃ~届かない!!