どもり癖がついてしまったことは、今回再会した時から気付いているけど……と同時に顔を火照(ほて)らせたのはどうにも理解不能だった。まったくツパおばちゃんといい、ルクといい、伯母と甥の二人して赤面ばっかりしているなんて……いや、あたしもか。

「そ、そろそろ湯浴み、したいでしょ? 少しだけど、熱いお湯を用意出来たから……その……」
「あ、そのための目隠しってこと!? ありがとう、ルク!」

 もう二晩もお風呂に入れていないのだ。髪はベタついているし、身体は拭いてはいてもやっぱりスッキリしない。なのでこの思いがけない申し出には、天にも昇れそうな気分になった。でもその赤ら顔ぶりは……まさか変な想像、してないでしょうね?

「あの、でもみんなは? あたしばっかり優遇してもらっちゃ……」
「ア、アッシュとボクは、谷に水を汲みに行った時に、水浴びしてきたから大丈夫だよ。おばさんは、ル、ルヴィが済んだら、か、身体を拭くだけでいいって」
「こんな寒い朝に冷水浴びたの!?」
「す、す、すぐに焚き火に当たったから、平気だよ~……へ……ふぇっくしょん!」

 言ってる傍からコレなんだから~!