「じゃあそれは、パパに会えるまでガマンする。でもこれから訊くことは、必ず答えるって、おばちゃん約束して」
「約束?」

 再び向けられた疑問の仕草に、あたしは満面の笑顔を見せ……それからつい「したり顔」をしてしまった。
 
「何か嫌な予感がします……お約束は出来かねます」
「ええ~いいじゃない! たまにはあたしの言うことにも答えてよ~!!」
「たまにはなどと……此処まで同行させたのも、かなりワガママを聞いてあげていると思うのですが?」

 なかなかこの鉄壁は打ち破れないものだ……でもいいもんねー答えてくれなくても、きっと分かっちゃうんだから!

「ねぇ~おばちゃん。おばちゃんってさぁ~弓のお師匠様のこと──」
「──し、し、師が一体何だというのです!?」
「……!」

 真髄に辿り着く前からコレだもんね! 分かりやすいなぁ~ツパおばちゃんったら!!

「お師匠様のこと、好きなんだよねぇ??」
「んなっ……な、何ということを言うのですか! し、師には尊敬の想いはあっても……そ、そ、そのような感情など一切──」

 ダメだ~こりゃ。おばちゃんのほっぺ、目よりも火よりも赤くなってるよ。