「……? わ、わぁっ!!」
「──いたっ!」

 それからしばらくして──気付けばあたしもルクの上で眠ってしまったらしい。よっぽど重たかったのか、先に目覚めたルクがその状況に我に返り、驚きの声と共に飛び起きて、放り出されたあたしは草地に倒れ込んでいた。

「え……? ええ?? えー……と、ご、ごめん! ルヴィ!!」
「ううん~こっちこそごめんー苦しくなかった?」

 立ち上がったルクは、あたしを助けようと手を差し伸べた。でもそれも気恥ずかしくなったのか、慌ててその手を引っ込めてしまう。肩すかしを喰らったあたしは、苦笑しながら自力で身を起こした。

「二人共目が覚めたね? 向こうで昼食の用意が出来たから、冷めない内に食べよう」

 その「向こう」とやらからアッシュが駆け寄ってきて、寝起きのあたし達を笑顔で(いざな)った。食事の場所をずらしたのは、ココが戦場だったからだろう。ルク自身は何が遭ったのか、何をしたのかも、どうも覚えていないみたいだけど。

「ありがとう、アッシュ。あの……ごめんね、本当に役立たずで……」

 女子のはしくれとしては、せめてランチくらい協力したかったのに……幾ら昨夜に良く眠れなかったからといって、まさかルクと一緒にお昼寝なんて。