家の前に着くと、私は千秋をふりかえった。
「ここだよ」
「…広」
「え、そうかな?」
普通だと思うけど…むしろ、小さい方かも?などと思った私は、何気なく千秋をみて、驚いた。
「…結構濡れちゃってる」
私は濡れていないから、多分傘を傾けててくれたからだろう。
「入って」
「え…いいよ、お構いなく」
「ダメ」
少し押し問答を繰り返していたが、折れたのは千秋だった。
玄関で靴を脱いでいると、奥からパタパタと走ってくる足音が聞こえてきた。
「「おかえり、おねーちゃん!」」
まだ4、5歳の女の子と男の子が走り寄り、私に抱きついてきたので、千秋は驚いているようだった。
「ただいま。莉央も茉央も、お客さんいるんだから、もっと静かに歩いて」
「はぁい」
「わかったー」
それだけ言って、2人はパタパタと奥へ戻っていった。
「…兄弟?」
千秋が莉央と茉央を見て言った。
「うん。妹の茉央と、弟の莉央。双子なの」
「あのさ。不躾なこと、聞くけどさ」
千秋は、少し前置きしてから言葉を続けた。
「この2人は、天宮の兄弟なの?胡桃の兄弟なの?」
核心をついた質問をする千秋に、答えるかどうか少し迷ったが、正直に答えることにした。
「私の、弟たち。私の母は、もう死んじゃったんだけどね。父の後妻の子どもが姉なの」
「…そう、なんだ」
千秋はそれ以上はなにも聞いてこなかった。
少し重苦しい雰囲気になってしまい、私は慌てて声をかけた。
「お風呂、案内するから…行こ?」
「サンキュ」
千秋をお風呂に案内した後。棚から取り出した、父が置いていった服を持っていき、声をかけておく。
「ドアの前に、服置いておくから」
「ん、わかった」
短いやりとりだったけど、感謝が伝わってきて、なぜかむずむずした。
「ねーねー、おねーちゃん」
キッチンに行き、双子の夜ごはんを作り始めると、茉央が声をかけてきた。
「なぁに?」
「おにーちゃんも一緒に食べるよね?」
「えー、どうだろ…茉央が誘えば?」
私が誘うのも、なんだか気恥ずかしいので、妹に丸投げすることにした。
「もう、りおがやってるー」
「あ、そうなの」
仕事が早い。そこでちょうど、リビングのドアが開き、千秋と千秋にくっついた莉央が入ってきた。
「そんなにお世話になっていいの?」
申し訳なさそうに言われた。
「全然いいよ、むしろ、双子に付き合ってくれてありがと」
「なんもしてないけどね」
少し肩をすくめながら言った千秋に、双子が話しかける。
「おにーちゃんの席、ここね!」
「ちあきの隣は僕だからね」
「えー、りおばっかりずるい!」
すぐに双子が喧嘩を始めてしまった。私だったらこんなことにはならないのに、千秋パワーすごい、と感じた。
「ここだよ」
「…広」
「え、そうかな?」
普通だと思うけど…むしろ、小さい方かも?などと思った私は、何気なく千秋をみて、驚いた。
「…結構濡れちゃってる」
私は濡れていないから、多分傘を傾けててくれたからだろう。
「入って」
「え…いいよ、お構いなく」
「ダメ」
少し押し問答を繰り返していたが、折れたのは千秋だった。
玄関で靴を脱いでいると、奥からパタパタと走ってくる足音が聞こえてきた。
「「おかえり、おねーちゃん!」」
まだ4、5歳の女の子と男の子が走り寄り、私に抱きついてきたので、千秋は驚いているようだった。
「ただいま。莉央も茉央も、お客さんいるんだから、もっと静かに歩いて」
「はぁい」
「わかったー」
それだけ言って、2人はパタパタと奥へ戻っていった。
「…兄弟?」
千秋が莉央と茉央を見て言った。
「うん。妹の茉央と、弟の莉央。双子なの」
「あのさ。不躾なこと、聞くけどさ」
千秋は、少し前置きしてから言葉を続けた。
「この2人は、天宮の兄弟なの?胡桃の兄弟なの?」
核心をついた質問をする千秋に、答えるかどうか少し迷ったが、正直に答えることにした。
「私の、弟たち。私の母は、もう死んじゃったんだけどね。父の後妻の子どもが姉なの」
「…そう、なんだ」
千秋はそれ以上はなにも聞いてこなかった。
少し重苦しい雰囲気になってしまい、私は慌てて声をかけた。
「お風呂、案内するから…行こ?」
「サンキュ」
千秋をお風呂に案内した後。棚から取り出した、父が置いていった服を持っていき、声をかけておく。
「ドアの前に、服置いておくから」
「ん、わかった」
短いやりとりだったけど、感謝が伝わってきて、なぜかむずむずした。
「ねーねー、おねーちゃん」
キッチンに行き、双子の夜ごはんを作り始めると、茉央が声をかけてきた。
「なぁに?」
「おにーちゃんも一緒に食べるよね?」
「えー、どうだろ…茉央が誘えば?」
私が誘うのも、なんだか気恥ずかしいので、妹に丸投げすることにした。
「もう、りおがやってるー」
「あ、そうなの」
仕事が早い。そこでちょうど、リビングのドアが開き、千秋と千秋にくっついた莉央が入ってきた。
「そんなにお世話になっていいの?」
申し訳なさそうに言われた。
「全然いいよ、むしろ、双子に付き合ってくれてありがと」
「なんもしてないけどね」
少し肩をすくめながら言った千秋に、双子が話しかける。
「おにーちゃんの席、ここね!」
「ちあきの隣は僕だからね」
「えー、りおばっかりずるい!」
すぐに双子が喧嘩を始めてしまった。私だったらこんなことにはならないのに、千秋パワーすごい、と感じた。



