***
ー朝。妹たちと別れたあと、いつも通り荷物を置いて一息ついていると。
「成海さん、ちょっといいかな?」
金納くんの、驚くほどに綺麗な瞳が私を見下ろしていた。私よりも茶色に近い黒色の瞳は、いつも濡れているような色気が漂っていた。
「え、、うん」
されるがままに彼の3歩後ろを歩いてついていくと。
そこには、空き教室ー鍵すらもない教室まで連れてこられた。
「あのさ」
少し言いにくそうに、言葉をきる。
「…うん」
一息吸ったと思ったら、彼は言葉を吐き出していた。
「俺と、付き合って」
「…え??」
突然の出来事に、頭の処理が追いつかずに固まっていると、金納もくんが、もう一度言った。
「俺と、付き合って」
少し気まずそうに頬を染めながら、言葉が紡ぎ出された。
「俺と…金納くんと…金納くんと?!」
「うん。なんなら、修学旅行も一緒に回りたいなー…なんて」
ーーどう言うことですか。そう言おうとしたが、言えなかった。唇を塞がれたからだった。
「?!んんっ?!」
思わず彼の胸板を叩いた。思っていたよりもふらつき、わたしから離れてくれた。
「…っ、ごめん…」
後悔で染まった彼の胡桃色の瞳は、彼自身の混乱を表しているようだった。
「じゃあ、、返事、待ってるから…」
金納くんは、おぼつかない足どりで教室へと戻っていった。
その姿が曲がり角で消えた瞬間、足の力が抜けた。体を支えきれずにヘタッと床に座り込んでしまう。
「…告白…された…???、キスされた…??」
信じられない。可能性なんて、1%もないと思っていたのに。
私はーー成海美雪は、ひとりの空き教室で赤くなった頬を押さえて、恥ずかしさのあまり俯いてしまった。
ー朝。妹たちと別れたあと、いつも通り荷物を置いて一息ついていると。
「成海さん、ちょっといいかな?」
金納くんの、驚くほどに綺麗な瞳が私を見下ろしていた。私よりも茶色に近い黒色の瞳は、いつも濡れているような色気が漂っていた。
「え、、うん」
されるがままに彼の3歩後ろを歩いてついていくと。
そこには、空き教室ー鍵すらもない教室まで連れてこられた。
「あのさ」
少し言いにくそうに、言葉をきる。
「…うん」
一息吸ったと思ったら、彼は言葉を吐き出していた。
「俺と、付き合って」
「…え??」
突然の出来事に、頭の処理が追いつかずに固まっていると、金納もくんが、もう一度言った。
「俺と、付き合って」
少し気まずそうに頬を染めながら、言葉が紡ぎ出された。
「俺と…金納くんと…金納くんと?!」
「うん。なんなら、修学旅行も一緒に回りたいなー…なんて」
ーーどう言うことですか。そう言おうとしたが、言えなかった。唇を塞がれたからだった。
「?!んんっ?!」
思わず彼の胸板を叩いた。思っていたよりもふらつき、わたしから離れてくれた。
「…っ、ごめん…」
後悔で染まった彼の胡桃色の瞳は、彼自身の混乱を表しているようだった。
「じゃあ、、返事、待ってるから…」
金納くんは、おぼつかない足どりで教室へと戻っていった。
その姿が曲がり角で消えた瞬間、足の力が抜けた。体を支えきれずにヘタッと床に座り込んでしまう。
「…告白…された…???、キスされた…??」
信じられない。可能性なんて、1%もないと思っていたのに。
私はーー成海美雪は、ひとりの空き教室で赤くなった頬を押さえて、恥ずかしさのあまり俯いてしまった。



