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「…あの2人、やっぱり両思いだよね…?」
ボソッと落とされた独り言は虚しく宙に消えていった。
手元には、一冊のノート。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
拝啓、未来の私へ
あなたは今 何をしていますか
この恋は 実っていますか
期待薄い片思いなんて 友だちでいいの
でもやっぱり君のことを考えてしまうの
「好きだから、かっこいいんだよ」って言っていたあの子とは
仲直りできていますか
それともやっぱり 彼を取り合っているのでしょうか
情けない私でごめんね。
あなたは こんな今の私を笑ってくれるかな。
やっぱり、わたし 金納くんのことが
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこまで書いて、手が止まる。
「…言葉にするのって、なんか違うのよね…」
思わず呟かれた言葉。
「恥ずかしいし…」
そのページを乱暴に破り取って丸め、ゴミ箱へ投げる。
しかし紙屑はゴミ箱には収まらず、勢い余って跳ね返り、床の上に転がった。
そんなことにも気づかずに、小さくため息をつく。
「てか、取り合ってるなんて、綺麗事じゃないの…」
そのまましばらくじっとしていたのだったが、突然ガタンと音を立てて立ち上がった。
「…うん。もう、大丈夫」
手元の小鏡を覗き込み、口角を指で上に押し上げる。
そんな自分の顔に満足し、机の横にかけてあったスクールバッグを肩にかけて小走りに教室を走り去っていった。
「…あの2人、やっぱり両思いだよね…?」
ボソッと落とされた独り言は虚しく宙に消えていった。
手元には、一冊のノート。
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拝啓、未来の私へ
あなたは今 何をしていますか
この恋は 実っていますか
期待薄い片思いなんて 友だちでいいの
でもやっぱり君のことを考えてしまうの
「好きだから、かっこいいんだよ」って言っていたあの子とは
仲直りできていますか
それともやっぱり 彼を取り合っているのでしょうか
情けない私でごめんね。
あなたは こんな今の私を笑ってくれるかな。
やっぱり、わたし 金納くんのことが
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そこまで書いて、手が止まる。
「…言葉にするのって、なんか違うのよね…」
思わず呟かれた言葉。
「恥ずかしいし…」
そのページを乱暴に破り取って丸め、ゴミ箱へ投げる。
しかし紙屑はゴミ箱には収まらず、勢い余って跳ね返り、床の上に転がった。
そんなことにも気づかずに、小さくため息をつく。
「てか、取り合ってるなんて、綺麗事じゃないの…」
そのまましばらくじっとしていたのだったが、突然ガタンと音を立てて立ち上がった。
「…うん。もう、大丈夫」
手元の小鏡を覗き込み、口角を指で上に押し上げる。
そんな自分の顔に満足し、机の横にかけてあったスクールバッグを肩にかけて小走りに教室を走り去っていった。



