八咫烏《ヤタガラス》



「俺はimpulseのナンバーズだぞ?」


impulse…impulse…聞いたことのある言葉に、なんだっけ、と脳味噌をフル回転させる。


あ、最近この辺り一体を縄張りとする暴走族だったっけ?


話には聞いたことあるけど、それ、本当にいたんだ。


知らなかったな。ただの噂話だと思っていた。


で、そこのナンバーズ?


何それ、知らない単語。意味わからないと、示すように、口を噤み、首をやや傾ける。


「怖くなって、口も開けないのか?」


「いや、ナンバーズって何かなぁって」


チッと舌打ちをされる。知らないもんは知らない。興味ないし、仕方ないじゃん。


彼はいい人なのか、それとも自慢したいからなのか、説明をしてくれるらしい。いや、完全に後者だね。


調子乗って見えるもん。


まぁ、それであたしがビビってくれれば上々ってところでしょう。


「ナンバーズとか、ナンバー持ちって呼ばれんだけどマジで知らねぇの?」


その問いかけに、うんうんと首を大きく縦に振る。


「ナンバー持ちっつーのは、impulseの幹部10人のことだよ。全体の上位10人が第壱(1)席から第拾(10)席まで強い順で席与えられてんの」


「へぇ。そうなの。説明ありがとう。それで、あなたは上から何番なの?」


馬鹿そうな顔して、意外とわかりやすい説明だった。


とはいえ、impulseが全部で何人いるか知らないから、ナンバー持ちっていうのが、どれくらいのレベルなのか全く想像がつかない。


だけど、多分この人のドヤ顔具合からすると、ナンバー持ちってのは結構ドヤれる立場ってのはわかった。