タクシーを駅で拾い、言われた住所に向かってもらった。
 
 アパートに着き、久保さんだけ降ろそうとしたが、一人で歩けず。

仕方なく、タクシーを見送った。
アパートの鍵を鞄から出し、アパートに入ってソファまで連れて行った。

 上着を脱がせ、ネクタイをとった。

『なんで、私がこんなことしないかんの?まぁ、放ってはおけないけど。』

 帰ろうと、立ち上がった。

「帰らないで。」
 久保さんに腕をつかまれた。『え?』
 久保さんは、目を瞑ったままだった。

『寝てるのか。』
 そうっと腕を外したが、帰るに帰れなくいい気分に襲われた。

 ソファにもたれた状態で、毛布をかけた。
 これだけ酔ってると、明日、二日酔いの可能性が高い。
とりあえず、水を少し飲ませて、頭に冷たいタオルをかけた。