私は眠気を覚まそうとふと窓の外を見てみる。


窓の外はグラウンドが見えて、どこかのクラスがサッカーの授業をしていた。


あ、あの靴………律貴先輩の学年の人だ。


私の学校では運動靴は指定されていて、その色を履かないと校則違反になってしまう、という特殊な校則がある。


なので靴の色を見ればどの学年が授業をしているのかが1発でわかる。


律貴先輩いるかな………。


律貴先輩の学年を見ると、自然と先輩を探してしまう癖ができた。


こんなこと、誰にも話せないな。



「あっ、いた…………」



授業をやっていのはどうやら律貴先輩のクラスだったようだ。


グラウンドの隅で靴をいじっている先輩が見えた。こんな遠くからでも律貴先輩を見つけることができるなんて、どんだけ先輩のことを意識してるんだろ。


だけど仕方ないじゃん。


律貴先輩、嫌でも目に入っちゃうんだから。