「彼女は俺の恋人ですが」

「じゃあ、あなたの恋人が、園児の父親を誑かしてるのよ」

「翔子!なんて事を!」

「何よ。本当のことじゃない。あなたと手を握り合ってたのを私は見たのよ。なのに、この人の部屋に出入りしたり」匠を指差し叫ぶ。

「「「「……」」」」

 啓太の母親の発言に、全員が固まる。

「翔子、どうしてそんな詳しく知ってるんだ?」

 そこで翔子も自分の失言に気づいたようだ。まるでストーカーだ。

「手を握ったのは一方的にあなたの元旦那がした事だ。俺の家への出入りは、ほぼ別々で週刊誌の記者が来た日くらいだ。まさか⁉️」

「この女が許せなかったの」

 身勝手な言い分に、拳を力強く握り震える。その時だった。

『パァ〜ン』と音が響いた。