「ママがすんでるの〜」

「えっ⁉️」

「まあ、そんな感じです」

 なぜか歯切れの悪い啓太の父。そこへ、中から人が出てきた。美羽と同じくらいの歳の綺麗な女性だ。

「啓太〜」

「あっ、ママ〜」父親の手を離し走っていく。

 そして母親は啓太を抱っこし、こちらにやって来る。

「あら、あなた……」なぜか美羽を睨んでいる。

「ママ、みうせんせいだよ」

「知ってる……」

「えっ?」美羽は、初対面だ。しかも、なぜ睨まれているか全くわからない。

「あなた、保育士でしょう。子供の父親を誑かさないで。しかも、恋人もいるでしょ」

「誑かす??」

「翔子!」

「あら?何か間違ったこと言った?」

「……」美羽にはもちろん身に覚えがない。