沈黙の戦い〜凛々しい棋士のギャップ〜

「匠、黙ってないで何とか言ったら?」

「いきなり来て煩い」

「何?その言い方。可愛くないわね」

 キッチンに荷物を置き、文句を言いながら出てきた美女は、匠の後ろにいる美羽の姿に気づいた。

「何⁉️誰⁉️きゃあ〜」

 なぜか一人大騒ぎしている。

「……」呆然としている美羽。

「母さん本当に煩いから。美羽がびっくりしてる」

「お母さん⁉️」「美羽⁉️」

 女性ふたりの驚きの声が重なる。

「美羽、俺の母親。煩くてびっくりしたよな」

「う、ううん。お姉さんかと思った……。一瞬元カノだったらどうしようかと……」

「はぁ??こんなババアありえない。しかも、俺にとっては美羽が初カノだから」

「あっ、うん。お母様、はじめまして。白石美羽です」