沈黙の戦い〜凛々しい棋士のギャップ〜

 まだ呆然としたままの美羽は、匠について行くのが精一杯。エレベーターに乗り込み気づけばぐんぐん上昇している。

 エレベーターは32階で止まった。降りると高級感漂うフカフカのカーペットの敷かれた廊下が続く。

「美羽こっち」

 匠に連れられ廊下を進むと最奥の扉の前に着いた。ここに来るまで扉は5戸しかなかった…

「部屋は3205だから忘れないように」

「う、うん……」

「どうした?ボ〜ッとして。美羽、ここに人差し指」

 言われるがままだ。美羽の指に反応し、扉は開く。

「どうぞ」

 入るとセンサーで玄関から廊下まで明るくなり、広い玄関に佇む。

「美羽どうしたの?」

「イヤッ。あのっ」

「ん?」

「凄すぎて……」

「そう?」