沈黙の戦い〜凛々しい棋士のギャップ〜

 このエリアの真ん中に堂々とそびえ立つタワーマンションは、高級感があり普通の会社員では到底住めない物件だ。

「美羽着いたよ。ここ」

 まさしく、そのタワーマンションを指差す。

「ここっ⁉️凄い……。一人暮らしだよね……」

 エントランスホールには、コンシェルジュデスク。

「葉加瀬様。おかえりなさいませ」

「こんばんは。すみません。彼女の登録をしたいんですが」

「かしこまりました。では、こちらの用紙にご本人様がご記入願います」

「美羽、書いて」

「は、はい」

 初めての体験に戸惑いと緊張を滲ませる。

「では、白石様の登録をさせていただきます」

「お願いします」

「こちらに人差し指を」

「はい」

「こちらで登録いたしました。入口とエレベーターでは、キーと指紋認証が必要になりますので」

「わかりました」