「プリンス若いのにやるわね。美羽よりよっぽどしっかりしてる。まだまだ敵はいるわよ」

「陽菜、ちょっと失礼じゃない??」

「陽菜さん、美羽の事よろしくお願いします」

 匠は、園内での事は陽菜に頼んでおくのが一番だと瞬時に判断した。

「きゃ〜プリンスに名前呼ばれてお願いされちゃった〜。私に任せて」

「あと、プリンスはちょっと」

「確かに。匠さんでいいですか?」

「はい。ありがとうございます。美羽帰れる?」

「あっ、うん。少しだけ待っててもらえる?」

「ああ」

 美羽と陽菜は、園内に戻って行く。匠には聞こえていないが、陽菜の驚きと興奮はまだ続いている。

「美羽、今度詳しく話聞かせてよ」と見送られたのは言うまでもない。