「美羽さんは、おいくつですか?女性に歳を聞くのは失礼ですかね?」

「私は26歳です。匠さんより上ですよね?」

「僕は21です」

「ええっ??」

「おかしいですか?」

「あっ、気を悪くしたらごめんなさい。お若いとは思ってたんですが、落ち着いてるので、そんなに下だとは思わなくて。私も見習わなくちゃ」

「雨の中、人に迷惑を掛けてるんですから、ダメな人間です」

「そんな事ないです。人は誰しも落ち込む事もあります。どうですか?少しは気が晴れましたか?」

「はい。お陰様で」

「おうちに帰ったらどなたか家族はおられますか?」

「いえ…一人暮らしなので……」

「若いのにえらいですね。じゃあ、今日はうちに泊まって下さい」

 美羽は、匠の年齢から大学生だと判断したのだ。地方から親元を離れて生活をしているのだと。