憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~

『力をいれなくてもいいっていうか、楽でいられる』


『そんな人がいたんだね。知らなかった』


やっぱり彼女がいて、みんなに秘密にしてたんだ。


『その人の笑顔があるから頑張れるっていうか…つまりはそれが俺のモチベーション。その笑顔があれば、どんなにつらいことがあっても前向きになれるんだ』


恭介君の横顔…優しい笑み。


『素敵な話だよね。誰かのおかげで元気になれるって…』


私にとってのそういう存在は誰になるの?


頭の中に誰かを浮かべようとしたその瞬間、


『その人のこと誰なんだろうって別に気にならない?俺が誰を求めてるかなんて里桜には関係ないか…』


ちょっとだけ不機嫌そうな恭介君の態度に困惑した。


春風が少し強く吹いたせいで、池の水が更により大きくさざめく。


『か、関係ないとかじゃないよ。ただ、それってきっと恭介君の好きな人でしょ?だったら私が聞いちゃいけないかなって。すごくプライベートなことだから…』