憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~

『うん。俺にはさ、仕事を頑張るモチベーションがあるんだよ』


そう言って、恭介君はカフェラテを1口飲んだ。


『モチベーション?』


『ずっと前からそのおかげでいろいろ頑張れてる。それがないと…すごく困るし、かなり助けられてる』


また1口飲んでから遠くに視線をやる。


風になびくキラキラした池の水面を、目を細めながら見てる恭介君。


ん?何だか…ちょっと色っぽい?


こんな風に思ったの、初めてかも知れないな。


『そ、そうなんだ…そんなにやる気を出させてくれる物があってすごいね。うらやましいな』


私もロイヤルミルクティーに口をつけた。


温かくて甘くて美味しい。


『里桜も知ってる通り俺ってさ、あんまり明るいわけでもないし、自分を上手く出せないことも多いけど…でも…不思議とある人の前では自分らしくいられるんだ』


まだ真っ直ぐ前を向いたまま言ったその言葉に、ちょっとドキッとした。


モチベーションって…


何か物や趣味じゃなくて「人」だったの?