憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~

『あっ、いえ!わ、私は香山 美穂です。里桜ちゃんと一緒にお仕事させてもらってます』


美穂先輩、ちょっと緊張してる?


『はじめまして、碧川 恭介です』


千隼先生はニコッと微笑んで『じゃあ、連絡するから、また』とだけ言ってその場を去った。


千隼先生…


こんなところで出会うなんて…


また連絡するだなんて、きっと社交辞令だよね。


実家の番号くらいは知ってるかも知れないけど…


『ねえ!あの人、本当に里桜ちゃんの家庭教師だったの?』


美穂さんが前のめり気味に質問した。


『えっ、あ、はい』


『あんな超イケメンが!?』


『確かにすごくカッコいい人だよね。驚いたよ』


『勉強を見てもらってたのは千隼先生が20歳で私が15歳の時で。もう10年経ってるんですけど、正直、記憶の中の先生より大人っぽくなってて…私もちょっと驚きました』


『どれくらいの期間、見てもらってたの?』


恭介君が聞いた。