憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~

『すみません、美穂先輩。私、今からお客様と打ち合わせなんです。時間なので行きます』


頭を下げてその場を立ち去ろうとしたら、里桜先輩が続けた。


『ねえ、里桜ちゃん。あの家庭教師の先生とはまた会うの?』


え?


どうしてそんな質問するのか…


その意図がわからなかった。


『えっ…あ、いや、それは私には…』


『へえ。里桜ちゃんはいろいろな男性と知り合いなのね。忙しいわよね。あんなイケメンとも知り合いなんてうらやましいわ。ずいぶん親しいみたいだったし、付き合っちゃえば?』


ニコニコ微笑みながらも、完全に目の奥は笑ってない。


やっぱりちょっと怖い…


『…付き合うとか、私達はそんな関係じゃないです。あの人は本当にお世話になった人で…』


『里桜、お客様待たせてるんだよね?早く行かないと』


私が言葉を詰まらせてると、恭介君がまた助けてくれた。