『お母さん~大丈夫ですか?』


鏡子さんと薫、そして2人の間に生まれた娘…エマちゃんとみんなでキャンプ場に来てる。


『ちょっとつまづいただけだから平気よ。全然、平気。さあ、エマちゃん、食べましょうね』


美味しそうに焼き上がったお肉や野菜、焼きそばもあって、2歳のエマちゃんも喜んで食べている。


こんな幸せな日常が私にやって来るなんて…


お父さんが亡くなった時の絶望感は今でも忘れられないけれど、薫と里桜が結婚して、ようやく私の人生もここから新しくスタートするような気がしているの。


何があっても、お父さんがずっと見守ってくれてるから大丈夫よね。


いつだって私を支えてくれた薫と里桜も近くにいてくれるし。


鏡子さん、エマちゃんもね。


私は…今、本当に幸せ。


『お母さん、そろそろうちに来ませんか?私達家族と一緒に住みましょうよ』


鏡子さんの言葉には毎回感謝してる。


だけど、私にはお父さんと暮らした家がある。


思い出がたくさん詰まった家が。