憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~

教会のドアを開けると、解放感と共に春の優しい匂いに包まれた。


階段を降りる幸せな2人に、色とりどりの花々が降り注ぐ。


赤、ピンク、白…


梓沙さんの好きな色ばかり。


今日のブーケとフラワーシャワーを準備してくれたのは、美穂先輩だ。


私が指名させてもらったけど、やっぱりとてもセンスがいい。


梓沙さんは今、世界一幸せなんだろうな。


満足そうに笑う顔を見ればわかる。


その可愛らしい微笑みは、ここにいるみんなの心を温かくした。


『本当におめでとうございます。梓沙さん』


着替えも含め全てが終わった時、千隼先生と私は梓沙さんとご主人に話しかけた。


『いろいろお世話になったね。本当、感謝してる。ありがとう…千隼先生、里桜さん』


『今日から2人は夫婦なんだ。何があっても、手を取り合ってしっかり前を向いて歩いて欲しい』


先生から教え子だった梓沙さんへの激励。


『何だか先生…お父さんみたい』