本当に鏡子と出会えて良かったと心から思ってる。


『薫ちゃん、ありがとう。聞いてもらって良かったよ。私、何だかいろいろ焦りすぎてた気がする』


『そうだな。でも、里桜にも必ず春が来るから。焦るな焦るな』


そう、焦る必要はない。


『春…来るかな…』


『ああ、必ず』


里桜の心にも桜の花がいっぱい咲く春が…


近いうちに訪れる。


俺にはわかる。


ずっとずっと思い続けた気持ち、そのこと、俺は昔から気づいてたんだ。


まさか、再び…


母さんと里桜を守るって決めた時から、必ず2人には幸せになって欲しいって願ってきた。


それがもうすぐ叶うかも知れないと思うと本当に嬉しい。


いつか里桜が幸せになったら、その時は母さんと一緒に暮らしたいと、鏡子とも話してる。


『ありがとうね、薫ちゃん』


『ああ、いつでも相談室は空いてるから。里桜は特別予約無しで聞いてやるから』


『頼りにしてます、薫ちゃん』